ブログ2:アメリカの不公平な大学進学制度
アメリカの大学教育は、世界最高だと言われても、反対する人は少ないでしょう。というのは、世界大学ランキングのトップ100に、アメリカの大学が36校も入り、優秀な大学が最も多い国だからです()。そこで、アメリカの大学には、アメリカ人だけでなく、世界中から数百万人の生徒が毎年進学を目指して申し込みます()。しかし、大学が出願した学生を選ぶ制度は、決して公平とは言えません。なぜなら、1961年から始まったアファーマティブ・アクションという方針が最近、最高裁判所によって違法と判断された()ため、これから、不利な環境で育った学生たちは大学に進学することがさらに難しくなるでしょう。
アファーマティブ・アクションとは、大学が学生を選ぶ際に、成績や課外活動以外に、出身や育った環境など様々な条件も含めて考えたら決定する方針です。つまり、リソースが少ない生徒や不利な環境で成長した子供達の大学進学のチャンスが上がるということです。しかし、一方で、この方針に反対する人もいます。そのため、アメリカの最高裁判所は2023年にアファーマティブ・アクションを違法と決定しました(3)。しかし、この決定はリソースや特権を持つ家庭には有利ですが、すでに困難な状況にある家庭にとっては決して良いニュースとは言えません。例えば、お金がある人は大学進学試験SATのために高価な教科書やオンラインコースを購入したり、履歴書をきれいにするためにカウンセラーを雇ったりすることが出来ますが、お金がない人はそのようなことが出来ない上に、同じ基準で評価されることになります。
メリット主義は社会の発展にとって重要ですが、それによって生じる不平も決して無視してはいけません。不利な環境で育ったけれども、生活を変えるために一生懸命努力した子供達に少し助けを与えることで、きっとアメリカ社会の不平等も少しずつ変わっていくでしょう。そのため、アメリカの大学は、出願した学生の家庭や育った環境も再び考える必要があります。
アファーマティブ・アクションはとても大事な制度だと思います。お金を持つ家庭はで子供に色々な課外活動を行かせられる、親たちが同じ大学に勉強した子供が入りやすい、といったこともありますよね。
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